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2006年12月のニュース:2006年12月は多忙のため、ご紹介したニュースはかなり少なくなっています。

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R2040年迄に夏季の北極海の氷は消滅するかもしれない(2006年12月11日、アメリカNCAR)
アメリカのNational Center for Atmospheric Research(NCAR)、ワシントン大学及びカナダのマッギル大学の研究者は、温室効果ガスの排出が北極域に与える影響についてコンピュータモデルを用いて研究を行ったが、その結果によると、もし大気中の温室効果ガスが現在の割合で増加し続ければ、将来の北極海の海氷面積は比較的安定した時期がしばらく続いた後、急激に減少し、2040年までには夏季の海氷はほとんど消滅し、また、冬季においても厚さが12フィート(約3.7m)から3フィート(約0.9m)以下になるとのことである。気温の緩やかな上昇に対し、急激に北極海の海氷が減少する理由については、海氷に覆われていない海面は海氷の表面に比べ太陽光の吸収が多いので、海水が暖められやすくなるためと、地球温暖化により海流に変化が生じ、暖かな海水が北極海に流入するようになるためとのことである。
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R地球温暖化により海洋の生産性が減少(2006年12月6日、アメリカ オレゴン州立大)
オレゴン州立大のBehrenfeld氏達は、過去10年間の人工衛星による海洋の色のデータを用いて、海洋の食物連鎖の基礎になる植物プランクトンの量の変動についての研究を行ったが、その結果によると、1997年の大規模なエルニーニョ以後に一時的に植物プランクトンが急激に増大したが、2000年以後は炭素換算で年間1億9千万トンずつ減少しており、地域的な差はあるが、地球全体では地球の温暖化により植物プランクトンは減少しているとのことである。これは植物プランクトンは光合成を行うためには海洋の表層(編注:太陽光は海洋に入射後指数関数的に急激に減衰する。光合成による酸素の放出が呼吸による吸収を上回る層を有光層というが、これは一般的に海洋の表層数十m程度の深さ迄となる)に留まる必要があるが、地球の温暖化に伴う海洋表層の温度の上昇によって海洋表層の密度が低下し、海洋の表層の海水と表層下の栄養塩が豊富な海水との混合が阻害されるためである。
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R地球温暖化の進行が南大洋によってゆるめられる可能性あり(2006年12月5日、アメリカ アリゾナ大)
南半球の偏西風は過去30年間で南方に変位しているが、アリゾナ大学のRussell氏達が開発した新しいコンピュータモデルの結果によれば、偏西風が南方に変位するにつれ風速が増大し、これに伴って南極の周囲を周回する南極周回流が強化され、これに伴い湧昇が増大し、結果として、南極周辺の表層水の熱及び2酸化炭素は表層下により効率よく運ばれ、大気の熱及び2酸化炭素の海洋への転移が増加し、地球温暖化の進行速度がゆるめられるかもしれないとのことである。ただし、大気から海洋への熱や2酸化炭素の転移が増加すると、海面の上昇や、海洋の酸性化の進行による海洋生物への悪影響の増大が起きる可能性がある。
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R大気汚染の減少によりインドでは米の生産が増加(2006年12月4日、アメリカUCB)
アメリカのカリフォルニア大学バークレー校のAuffhammer氏、同サンディエゴ校のRamanathan氏及びVincent氏が行った研究によると、インドにおける米の収量に対し大気中の浮遊粒子(エアロゾル)によって生じる褐色雲及び温室効果ガスの相乗効果はマイナスの影響があり、特にその傾向は1980年代半ばから顕著であり、1990年代の一部の年においてはこのような大気汚染がなかった場合は米の収量が20-25%高かったであろうとのことである。なお、褐色雲はインド亜大陸の乾燥化と低温化(編注:昼間の太陽からの地表への入射光の反射の増加による)をもたらすが、後者については温室効果ガスの増加による温暖化を打ち消す方向に働く。しかし、米の生産に悪影響が生じるのは夜間の高温であり、温暖化ガスを削減することにより夜間の温度を下げる効果が生まれるので、褐色雲を発生させる浮遊粒子の削減による降水量の増加及び温室効果ガス削減による夜間の気温の高温下の抑制が米の収量増加につながるとのことである。
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R海草の生態系に対する危機は世界的規模だが一般社会の認識は薄い(2006年12月1日、アメリカVIM)
Global Seagrass Trajectories Working GroupのリーダーであるアメリカのVirginia Institute of Marine ScienceのOrth氏を中心とする研究者達が行った研究によると、学術雑誌その他で報告された海草の自生域の消失は、主に沿岸域における人間の活動やハリケーン等の強大化により、熱帯及び中緯度域でともに過去40年間で世界的な規模で10倍に増加しているが、珊瑚礁やマングローブ自生域等に対する危機に比較すると、一般の人々の間では海草の自生域に対する危機の規模や重大性についてはあまりよく認識されていないとのことであり、海草の自生域の保護に向けて、一般の人々や資源管理者に対する啓蒙を含めた一層な努力が必要とのことである。なお、海草の生息域は魚類や貝類の生息域の提供、浸食の防止、過剰な栄養塩の吸収や海水の透明度の増加に貢献している。
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