当事業所では海洋・水産・気象関連のデータ処理・解析や数値計算やデータ図表化を主に行っていますが、他分野のデータ処理、諸計算・統計解析業務についてもお受け致します。個人やNPO、NGOのお客様も歓迎致します。各種業務の詳細については上のボタンをクリック下さい。

当事業所についてはここをクリック下さい

お問合せは
->こちらへ<-

このページでは海外の海洋を中心とした地球環境関係のサイトに発表された英文ニュース等の概略を、当事業所における英文和訳業務文献調査業務のサンプルとして、ご紹介しています。なお、各記事やその他の文書の全訳は有料(1000円/600語)にてお承り致します。詳細は->こちら<-迄お問い合せお願い致します。

このページの内容の無断転載はお断り致します。また、リンク先の記事の転載等についてはリンク先の団体にお問い合せ願います。

以下の各記事のタイトルは分野により、青色は海洋関連、水色は大気関連、緑色は陸上関連、橙色は産業関連のように色分けしています。タイトル部分の先頭の文字がRの場合は、ご紹介している記事の内容は主に特定の研究結果で、今後の研究結果次第ではその内容が否定される可能性もあることを示し、Dの場合はご紹介している記事は開発に関する内容で、Tの場合はRにもDにも該当しない内容であることを示します。これらの文字の次が○ではなく●の場合は、概略文を1-2文程度迄凝縮していることを示しますが、両者の差は記事の内容の情報性の大小や優劣等には全く関係ありません。タイトルの横の括弧内の日付は元の記事の発表の日付です。なお、最新のニュース及び過去の掲載ニュースの目次は-->こちら<--です。

2007年3月のニュース:2007年3月は多忙のため、ご紹介したニュースは少なくなっています。

Google
ウェブ全体 当事業所ホームページ

R 南極の氷河の融解による海面上昇(2007年3月16日、イギリス エディンバラ大)
イギリスのエディンバラ大学およびロンドン大学の研究者によると、南極及びグリーンランドの氷床の年間125ギガトンの融解により過去10年間で年間0.35mmの海面上昇がもたらされたとのことである。ただし、グリーンランドの氷床の融解については変動が大きく明確な傾向が掴めないのに対し、南極東部及び西部の主要な4氷河は一致して後退しており、これらの氷河は海洋に直接接しているので、海洋の温度の僅かな上昇に対しても影響を受けやすいとのことである。
-->元の記事を読む<--
-->Science誌掲載のレビューの要旨を読む<--

R 温暖化の農作物への悪影響(2007年3月16日、アメリカLLNL)
アメリカのローレンスリバーモアー国立研究所およびカーネギー研究所の研究者達は世界全体で最も広く生産されている農作物である小麦、米、トウモロコシ、大豆、大麦及びソルガム(セイバンモロコシ等のモロコシ属)への地球温暖化の影響について調べたが、その結果によると1981年から2002年にかけての期間における温暖化による大麦、小麦やトウモロコシの生産量のロスは世界全体で年間4千万トンとなり、これはこの期間の技術向上による増収に比べれば相対的に小ではあるが、地球温暖化の農生産への影響は既に現れているとのことである。
-->元の記事を読む<--
-->Environmental Research Letters誌掲載の論文を読む(HTML)<--

R 太陽光を遮蔽する効果をもつ大気中の浮遊粒子は減少傾向(2007年3月15日、アメリカ NASA)
火山の噴煙、土埃や産業活動による煤塵によって生じる大気中のエアロゾル(浮遊粒子)は地表に到達する太陽光を遮って弱める(ディミング:dimming)ことによる冷却効果を持つが、NASAの研究者達が1978年以後の人工衛星による大気下層の観測データを用いて行った研究によると、1991年のピナツボ火山の噴火以後は大気中のエアロゾルは緩やかな減少傾向にあり、その結果地球の温暖化を進める可能性があるとのことである。なお、大気中のエアロゾルの量が地球の気候に与える影響としては、ディミングによる冷却効果、水の蒸発量への影響を介しての地球の水収支への影響、高空での温暖化、エアロゾルより生成された雲による太陽光の反射による冷却効果等がある。
-->元の記事を読む<--
-->Science誌掲載の記事の要旨を読む<--

R 北極の海氷の融解は中緯度の気候にも影響(2007年3月15日、アメリカ コロラド大)
アメリカのコロラド大学のSerreze氏等は北極海の海氷の減少について最近行われた研究を纏めたが、それによると、人工衛星による良好なデータが得られるようになった1979年以後では毎年北極海の氷域が減少しており、これは大気中の地球温暖化ガスの増加に伴う北極域の温度上昇及び、North Atlantic Oscillationと呼ばれる長周期の自然変動に伴って1980年代後期から1990年代初期にかけて海氷が北極海から北大西洋に押し出されたためとのことである。その他、1990年代中期からは北極海に大西洋から暖かい水が流入するイベントが生じており、将来北極海の海氷が夏季には消滅するようになる可能性が高いが、いつそのような状況になるかはまだよくわからないとのことである。なお、北極海の海氷の減少により、大気の循環のパターンに変化が生じ、それによって降水量がアメリカの西部で減少しヨーロッパ南部で増加するという研究結果も発表されているとのことである。
-->元の記事を読む<--
-->Science誌掲載のレビューの要旨を読む<--

R アジアからの煤煙が温暖化に寄与(2007年3月14日、アメリカSIO)
アメリカのスクリップス海洋研究所のRamanathan氏及びHadley氏が行った研究によると、春期のアメリカ西海岸域の上空に運ばれてくる主に煤塵からなるブラックカーボンと呼ばれる汚染物質の3/4以上はアジア起源であるとのことである。この煤塵は自動車の排気ガス、農業の野火その他によって生じており、寒冷な極前線帯が南下し、暖かい空気が高空に上昇する春期に顕著であり、この煤塵の効果は大気上層では温度上昇をもたらし、海面では太陽からの入射光を弱めるため冷却化をもたらすが、トータルでは温暖化に寄与し、太平洋上空では2酸化炭素の増加による温暖化の40%程度となるとのことである。なお、この効果が春期にのみ限られるかどうかといった問題や、大気中での太陽光の吸収・遮断以外の効果についてはさらなる研究が必要とのことである。
-->元の記事を読む<--
-->Journal of Geophysical Research誌掲載の論文の要旨を読む<--

T ヨーロッパが昨年打ち上げた人工衛星によるオゾン及び2酸化窒素の最初の観測結果(2007年3月14日、ヨーロッパESA)
ドイツのGerman Aerospace Centerは、ヨーロッパの他の機関と協力して、ヨーロッパのESAが2006年10月に打ち上げたMetOp-A衛星に搭載されている大気中のオゾン、大気汚染ガスである2酸化窒素のようなトレースガスや浮遊粒子(エアロゾル)の分布及び地表での紫外線放射量が観測可能なGOME-2というセンサーにより得られたデータを用いて最初のプロダクトを作成した。なお、MetOp-A衛星は地球全体をほぼ一日一回観測できる。
-->元の記事を読む<--
-->MetOp-A衛星のホームページに移動<--
-->GOME-2に関するページに移動<--

R アジアからの煤煙が温暖化に寄与(2007年3月14日、アメリカSIO)
アメリカのスクリップス海洋研究所のRamanathan氏及びHadley氏が行った研究によると、春期のアメリカ西海岸域の上空に運ばれてくる主に煤塵からなるブラックカーボンと呼ばれる汚染物質の3/4以上はアジア起源であるとのことである。この煤塵は自動車の排気ガス、農業の野火その他によって生じており、寒冷な極前線帯が南下し、暖かい空気が高空に上昇する春期に顕著であり、この煤塵の効果は大気上層では温度上昇をもたらし、海面では太陽からの入射光を弱めるため冷却化をもたらすが、トータルでは温暖化に寄与し、太平洋上空では2酸化炭素の増加による温暖化の40%程度となるとのことである。なお、この効果が春期にのみ限られるかどうかといった問題や、大気中での太陽光の吸収・遮断以外の効果についてはさらなる研究が必要とのことである。
-->元の記事を読む<--
-->Journal of Geophysical Research誌掲載の論文の要旨を読む<--

R 2酸化炭素の増加に伴う海洋の酸性化による海洋生物への悪影響(2007年3月8日、アメリカ イリノイ大)
炭酸カルシウムを殻や骨格とする珊瑚等の海洋の生物(編注:魚の餌となる翼足類という種類のプランクトンも含む)は、大気中の2酸化炭素の増加に伴う海洋の酸性化によって殻・骨格の溶解や、殻・骨格を形成するために必要な炭酸塩が不足するという悪影響を受ける。これに対し、アメリカのイリノイ大学やカーネギー研究所の研究者が大気中の2酸化炭素の増加や温暖化に伴う温度上昇の海洋の酸性化への影響についてコンピュータモデルを用いて研究を行ったが、その結果によると2酸化炭素の排出が現状のまま継続すると今世紀末迄には海洋のペーハーは現在の値より0.31下がるとのことである。ただし、温度の上昇については海洋のペーハーの減少をもたらすが、同時に大気中の2酸化炭素の海洋への溶解を阻害するので、海洋の酸性化への影響はあまりないとのことである。
-->元の記事を読む<--
-->Geophysical Research Letters誌掲載の論文の要旨を読む<--
-->2006年7月に発表された海洋酸性化が珊瑚等に与える影響に関する報告書を(英文pdf)ダウンロード<--
-->アメリカのNOAA(米連邦政府の気象および海洋に関する総合機関)の関連するホームページに移動<--

R 遺伝子工学を用いて植物の耐酸性雨能力を向上(2007年3月8日、アメリカ デューク大)
酸性雨は土壌中や植物の葉の中のカルシウムを溶解し、植物の生育を阻害する。この対策の一つの方法としてはカルシウムの散布が考えられるが、広大な土地に散布する必要があり、現実的には困難である。これに対し、アメリカのデューク大学のPei氏等は、以前に植物中のCASという分子により植物は外部より取り込むカルシウムの量をモニターしたり、植物中に蓄えられているカルシウムを放出したりしていることを突き止めたが、この程遺伝子工学によって植物中のカルシウムのセンサー機能を変更して、酸性雨でカルシウムが減少しても生育には十分な量があると植物に思わせることにより、酸性雨下でも植物が成長できるようにする研究を開始した。
-->元の記事を読む<--
-->Science誌掲載の関連するreportの要旨を読む<--