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2007年5月のニュース:2007年5月は多忙のため、ご紹介したニュースは少なくなっています。

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R バイオ燃料精製後の副産物を肥料の代替物として利用することにより、さらなる2酸化炭素削減の試み(2007年5月31日、オーストラリアNSW州)
バイオ燃料の精製方としては植物を酸素を断った状態で加熱する方法があるが、その際に発生する残存物(炭;agrichar)をオーストラリアのNSW州で肥料の代替物として1ヘクタールあたり10t使用したところ、麦の収量は3倍、大豆の収量は2倍に増え、麦についてはagricharの効果は窒素肥料と同等とのことである。NSW州のVan Zwieten氏によれば、agricharは土壌のphをあげ、カルシウム分を増加させ、アルミニウムの有毒性(編注:地域的な特殊な条件)を減少させるので、肥料の必要が減り、また、土壌の水分保有能力が上がるとのことである。また、NSW州のKimber氏によれば、農作物の残存物を堆肥やマルチとして使用した場合とagricharにして肥料の代替物として使用した場合とを比べると、堆肥やマルチとして使用した場合は農作物の残存物中の炭素は2酸化炭素として2~3年程度で大気に放出されるが、agricharとして使用した場合は炭素が地中に安定した状態で数百年程度保持されるとのことであり、大気中の2酸化炭素削減に有用とのことである。ただし、現在のところ、agricharの生産量は少ない。
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R 気候変動は重大な転回点に近づきつつある(2007年5月30日、アメリカNASA)
アメリカのNASAおよびコロンビア大学の研究者達が行ったコンピュータによるシミュレーション、人工衛星によるデータ及び太古の気候に関するデータを用いた研究の結果によると、過去30年間における0.6度Cの地球温暖化は主に温室効果ガスの増加によるものであり、地球全体で温度があと1度C程増加すると、気候変動は温度上昇による高緯度地域の氷雪の融解がさらなる温度上昇をもたらすような状態になる重大な転回点を迎えるかもしれないとのことである。また、研究者達は人類が今後も現在のように2酸化炭素の排出を増やし続けた場合と2酸化炭素の排出を抑制した場合についてのシミュレーションを行ったが、その結果によると、現在のように2酸化炭素の排出を増やし続けた場合は地球全体で2-3度Cの温度上昇がおこり気候変動による重大な災害が発生するが、今後2酸化炭素の排出を抑制した場合は気候変動は緩やかなものとなり、人類がそれに適応していくことが十分に可能となるかもしれないとのことである。
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R 気候変動により南大洋の2酸化炭素吸収量が低下し、酸性化が促進される(2007年5月18日、イギリスUEA)
イギリスのEast Anglia大学、British Antarctic Survey及びドイツのMax-Planck生化学研究所の研究者達が行った研究によると、大気中の温室効果ガスの増加及びオゾンの減少による南大洋(編注:南極を中心とした南半球高緯度部の太平洋、大西洋及びインド洋を南大洋と呼ぶ。なお、南大洋には太平洋、大西洋及びインド洋を経由して南極大陸を一周する海流が存在する)上空の風の強化に伴い、南大洋における大気からの2酸化炭素の吸収の減少および海洋からの2酸化炭素の放出が生じているとのことである。East Anglia大学のLe Quere氏によれば、地球全体における2酸化炭素吸収の15%が南大洋でおきており、南大洋の2酸化炭素吸収能力の飽和は重大な問題とのことである。また、南大洋の酸性化は予想されていた2050年より前に危険な状態になる可能性が高いとのことである。
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T 深海の熱水鉱床周辺の生物を鉱物採掘より保護すべき(2007年5月17日、カナダ トロント大)
深海における熱水鉱床周辺では海底から噴出する硫黄に依存するバクテリアを基にした生態系が形成されており、一部の生物学者はこれらの生態系は地球の原始生命発生を顕すかもしれないと考えている。しかし、ニューギニア沖の熱水鉱床におけるカナダの鉱物採掘会社による商業採掘計画のように、一部の鉱物採掘会社は熱水鉱床における鉱物採掘に興味を持っており、また、熱水鉱床周辺の生物そのものを利用して新しい薬品等を開発しようと考えているグループもある。これに対し、トロント大学のHalfar氏によれば、事後規制は困難になるので、このような商業採掘が開始される前に熱水鉱床周辺の脆弱な生態系を保護するための適切な科学的および法的な手法を確立する必要があるとのことである。なお、1970年代には海底のマンガンノジュールの採鉱に関心が集まったが、高い採掘コストや海洋法(国連)の規制により、商業採鉱が頓挫した経緯がある。
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R 海洋保護区は珊瑚礁の回復・保全に有効(2007年5月、イギリス エクゼター大)
イギリスのエクゼター大学のMumby氏を中心とした研究者達によれば、人類は世界全体の珊瑚礁の約30%をすでに破壊し、気候変動がさらに珊瑚礁に対し悪影響を与えているが、同氏等がカリブ海に設置された総面積442平方kmのThe Bahamas' Exuma Cays Land and Sea Parkにおいて行った研究によると、ブダイ等の魚が漁獲より保護されている海域では、これらの魚が珊瑚の生育に有害な藻類を食べるため。若年の珊瑚は2倍に増えたとのことであり、多様多種の海洋生態系を支えている珊瑚礁の回復や保全には、海洋保護区の設置や法令等でブダイ等の魚を保護することが重要であるとのことである。
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