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複素EOF(時間領域)では深さによる振幅の変動のみではなく、位相の変動も許容できますので複素EOF(時間領域)の結果生成される時系列は深さにより変動の大きさのみではなく、形も変化します。ここで、ご注意頂きたいのは、位相の差が一定ということは、時間の差が一定ということではないということです。例えば今2組の時系列データ間に90度の位相差があるとします。この場合周期4時間の変動は両者間で1時間(90/360X4=1です)の差があり、周期40時間の変動は両者間で10時間の差があることになり、片方の時系列を適当にずらしてもう片方の時系列に重ね合わせようとしてもうまく重なり合いません。 さて、図6bに図1で示した深さでのモード1の成分(青線)と元のデータ(赤線:図1の青線と同じです)を示します。なお、150~250mの図は値が小さいので2倍にして表示しています。図6cは前の複素数を用いないEOFの結果で、比較のためにここに表示しました。浅いところではどっちもどっちといった感じですが、250mあたりですと複素EOF(時間領域)のほうがよく一致しているのが御覧頂けるのではないかと思います。 図6eと6fはモード1の振幅と位相を示します。この振幅と位相は固有ベクトルより得られる情報で、位相については40mの値をゼロとしてそれからの相対的な差です。ここで、位相-180度と+180度は実は同じで、90~100mで位相が大きく変化しているように見える部分は値が-180度を超えそれが正の値として表示されているのであって、位相が大きく変化しているわけではありません。140-150mで位相が大きく変わっている部分も同様です。位相が+または-180度いうのは変動が反転している場合ですが、この図より100~140m付近の変動はその上下の深さでの変動と逆の変動をしていることがわかります。 これ以上の解析は本ページの趣旨に添いませんので省略しますが、図6eと6fより深さに伴いモード1の変動の大きさがどのように変化し、そのずれがどのようになっていくのかがわかります。このような情報は現象を解析するにあたって重要なヒントになる可能性があります。図6gは図3aと同様に、この複素EOF(時間領域)で計算したモード1の40mでの時系列変化と風の時系列変化を比較するための図です。 4-3 複素EOF(時間領域)を使用する際の注意 5 ベクトル形式のデータのEOF(複素、時間領域) 6-2 例
この図は縦軸が深さで横軸が周期ですが、この図を作成するために周期242日から20.17日迄の12のバンドで個別に12回EOFの計算をしています。これらの周期帯の中心周期は図中の縦の黒線で示していますが、前述したように通常はデータの期間長によって決まる一定の周波数(周期の逆数に比例します)間隔になります。なお、ここでのモード1の強さとは比較のためにモード1の振幅をパワースペクトル密度関数(図7b)と同じ単位にしたものです。ここで、パワースペクトル密度関数は時系列データに含まれる変動の強さを周波数(周期)別に示します。なお、クロススペクトルを計算する際には周波数領域で平滑化(以下FDSと略)するという操作を行いますが、ここでは周波数による違いを細かく見るために3バンドという狭い幅のものを使用しています。この周波数領域での平滑化とは元のデータより計算した”生”のクロススペクトルの各周波数成分を移動平均のように隣接する周波数成分の値を用いて平均化する操作で、その際に重みを付ける場合も付けない場合もあります。なお、この図では値の対数をとって表示していますので、図で値が1異なると実際の値は10倍異なり、この図での濃青(2.0)と濃茶色(6.0)では値が10000倍異なります。 さて、図7bより元のデータ上の変動は周期40-80日辺りで浅いところ、110m周辺、180m周辺及び230m周辺で大きくなっていることがわかります。浅いところではさらに長い周期迄変動が大きくなっています。さらに細かく見ると110m付近での50日付近の変動は同じ深さの80日より長い周期や45日程度より短い周期の変動に比べ100倍またはそれ以上大きくなっています。図7aと図7bを比較すると周波数EOFのモード1の強さの分布(図7a)は元のデータ上の変動の強さの分布(図7b)によく似ていますが、値そのものはやや小さくなっていることがわかりますが、この小さくなった分は他のモードに含まれていることになります。 図7cはモード1の位相を示しますが、以前と同様に+180度と-180度は同じですので、周期30-70日辺りの70-100m付近で濃紺から濃赤に変わっている部分や140-160m付近で濃赤から濃紺に変わっている部分では位相が大きく変わっているわけではありません。この図によれば、等値線は主に水平方向に伸びていて、これにより位相の変化は深さ(縦)方向は大きく周期(横)方向には小さいことがわかります。従ってこの例のようなケースでは4-1で使用したような複素EOF(時間領域)での位相差が周期に無関係に固定されるという問題はあまり深刻ではないと推測できます。 図7dはこの流速の周波数EOFのモード1と、時間領域のEOFの例で使用した風の東西方向の成分との関連を示す図で、コヒーレンス(関連度関数)です。図7dより、周波数EOFのモード1の周期40-80日付近や30日付近の変動は風と強く関連していることがわかり、図7eより周期40-80日付近の変動については100-150m付近とその上下では位相が180度近く異なる、すなわち変動が反転していることがわかります。 これ以上の解析はこのページの趣旨に添わないので省略しますが、このように周波数領域EOFは時間領域EOFに比べると周波数(周期)による変化がわかるようになるのが特徴ですが、計算量はかなり増加します。また、後述するようにEOFの結果から新しい時系列を生成するような用途には向いていません。 6-3 複素EOF(時間領域)と周波数領域EOFの関係
ここでの比較はかなり広い周波数幅の計算結果を用いて行ったわけですが、それでも、少なくともこのデータの場合については、両方法間での差はあまり無いことがお分かり頂けるのではないかと思います。 6-4 周波数領域EOFを使用する際の注意 このような方法を取ることをお勧めする理由は、周波数領域EOFは時間領域のEOFのように新しい時系列データを生成して、他の要素の時系列データと比較するような用途にはあまり向いていないという点にあります。周波数領域のEOFでは個別の周波数で計算しなければならないため、入力データの組数が多く関心のある周波数域が広い場合は計算時間が多く必要になりますが、単一の周波数帯でのみ周波数領域EOFを計算しその結果を用いて時系列データを生成すると、ただ単なるまったく一様な正弦波にしかなりませんし、少々周波数帯を増やしても結果として生成できる時系列は非常に単調なものとなり、比較できるような特徴があまりでてきません。したがって、時系列データを生成する目的で周波数領域EOFを計算する場合は相当数の周波数帯で計算し、それらを足し合わせなければなりませんが、周波数帯を増やしすぎるとこんどは注目しているような変動が存在しない周波数帯まで含めることにもなりかねません。また、FDSによって時系列が”歪め”られてしまいます。 目的が新しい時系列データの作成であるならば、時間領域のEOFを使用したほうが”素直”ではないかと考えられます。 (2) 同じモードでも周波数が異なれば全然異なった性質のものかもしれません 実際、図7dでは周期約40日を中心とした狭い範囲でコヒーレンスが周辺よりかなり低くなっていますが、モード2ではこの部分では逆に周辺より高くなっています。 図9aは風の東西成分とEOFを適用していない流速の東西成分(元データです)とのコヒーレンスを計算しその深さ-周期分布を表示したものです。図9bは図7dと同じ図で、風の東西成分と流速の東西成分の周波数領域EOFのモード1との間のコヒーレンスを示します。図9cは風の東西成分と流速の東西成分の周波数領域EOFのモード2との間のコヒーレンスです。
図9aよれば表示している周期帯の中では風と流れの間のコヒーレンスが高い部分はかなり広いのですが、周期約40日を中心とした1バンドではコヒーレンスの高い部分は図9cよりモード2になっているようです。図7a及び7bより、この周期域付近でのモード1は150m程度より浅い部分での変動を強くあらわしているようですが、詳細はさらなる解析が必要です。この周期域や周期30日以下で200mより深い部分を除くと、風の東西成分と流速の東西成分の周波数領域EOFのモード1とのコヒーレンス(図9b)の高い部分はモードに分解せずに計算したコヒーレンス(図9a)の高い部分より広くなっています。 7 ロータリー(回転;Rotary) EOF(複素、時間領域) このページはEOFに関する御説明のページの2ページ目になります。1ページ目を御覧になりたい方は下左の矢印をクリック下さい。 |
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